コラム 第十六回 タブを開きすぎていませんか?
初心者の方から相談を受けたときに,動作確認をするためにタブレットを拝見させていただくと,かなりの高確率で次のような状態になっています。どこが問題かおわかりでしょうか。
ページ一番上に「エホバの証人」というタイトルがずらりとたくさん並んでいます。そして矢印で示した部分はさらに多くのタイトルが積み重なっていることを示唆しています。要するにその方が過去に見たJW.orgのページが何枚も重なったままになっているのです。
実は,これはタブブラウザというものについてよく理解していない人がやってしまう典型的なケースなのです。この状態に気づかないまま操作を繰り返していると画面の表示が遅くなったり,最悪の場合端末が応答もしなくなります。故障ではありませんが,まともに動作しないためそう錯覚されがちです。
手遅れになる前にまずやっていただきたい操作が一つあります。
それは「すべてのタブを閉じる」という動作です。
上の写真の一番右の台形の表示の部分に注目してください。✕印が付いていることにお気づきでしょうか。ここを一回タッチすると現在表示されているウェブサイトの表示が終了します。
さて,すぐに指を離さずタッチしたままにしてみてください。すると上の写真のような表示が出ます。そうしたら,いったん指を離し。それから「すべてのタブを閉じる」という表示の部分をタッチしてください。
すると次のような画面に変わります。
真っ暗になりましたが故障ではありません。これは開いていたすべてのタブを閉じた結果の画面です。
ここで左上の+印をタッチすると
何事もないGoogleのトップ画面が表示されます。
タブとは何か
IT用語はカタカナのまま覚えていただくしかありませんが,インターネットを閲覧するためのアプリをブラウザといいます。以降のブラウザという単語はすべてそういう意味です。
大多数のAndroid端末に標準搭載されているブラウザはGoogle Chrome(グーグルクローム)というアプリです。
←これが,Google Chromeのシンボルマーク。
このGoogle Chromeはタブブラウザという種類に区分されます。
タブとは狭い画面にいろいろなウェブサイトを表示させるのに便利な仕掛けです。そして上述の説明の写真の台形の部分がタブというものです。タブとは狭い画面にいろいろなウェブサイトを表示させるのに便利な仕掛けです。そして上述の説明の写真の台形の部分がタブというものです。
では,タブにはどんな役割が与えられているのでしょうか。
タブの役割
仮にあなたが服を買いに行ったとします。売り場で気に入った服を手にとることでしょう。幾つかの候補を2着,3着と選んでいきます。もっと多い場合もあるかもしれません。
では試着室に持ち運ぶにあたって常識的な枚数は何着までぐらいでしょうか。常識的に考えて数十着もの枚数は持ち運べないことでしょう。重すぎます。
さて,先程の写真ですべてのタブを閉じたあと,40個のタブを閉じたことが通知されたことを思い返してみましょう。実はこれは,直前まで一度に40着を抱えていたのと同じような重い状態になってしまっていたのです。
さて,新しくウェブサイトを見るたびに新しいタブが追加されます。同じウェブページを別のタブでさらに開くこともできてしまいます。それはちょうど一つの服を手に取った状態で別の服をもう一着手にとることに似ています。
タブを閉じる操作をせずに次々と新しくページを表示させていくうちにタブレットの動作はどんどんと鈍重になっていきます。
もし手に取った服がもし気に入らなければハンガーごと元に戻すのと同様,もはや参照しないタブは✕印をタップして閉じる必要があるのです。
なぜタブを開きすぎてしまうのか
では,どのような操作が新しくタブを開く根本原因になっていたのでしょうか。主な原因として考えられるのはJW LibraryからJW.orgを開いていることが考えられます。
上の写真のJW LIbraryアプリホーム画面のリンクからJW.orgを開くたびに新しいタブが生成されてしまいます。結果として,常習的にこの部分から公式ウェブサイトにアクセスし,かつタブを閉じる習慣のない方々のブラウザには数えきれないほどのタブが積み重なり,本体のメモリーを圧迫し,動作に悪影響を及ぼしていたわけです。
繰り返しになりますが,タブブラウザは一つの画面でいろいろなウェブページを見比べることができるようになっています。閲覧したいタイトルのタブをタップするとそのタブのページ一番上に表示されます。そのようにして手元に取り寄せたものをあれこれと切り替えながら見比べることができるわけです。
その特徴を活かしたブラウジングをしつつも,使わないタブは見終わったらぜひ閉じるようになさってください。