コラム 第15回 ファーウェイ製の激安9.6インチタブレットは買いなのか
一般的には国内でのタブレット市場は拡大が止まったと言われています。
早くて3年程度といわれるタブレット端末のことですから,買い替え需要は常にあるわけですので,今後もタブレットは売られ,そして買われ続けることでしょう。
Androidタブレットは種類の多さが特徴的ですが,いくら種類が多くてもそれらをすべて購入するわけではありませんので,種類が多いからいいとは言えません。
肝心なのは,数え切れないほどの製品(アプリ)の中に自分の用途に見合ったものが,あるか,ないか。です。ないのであれば,いくら商品数が多くても意味がありません。
この点で,手の届きやすい価格で,大画面で,ある程度の動作快適性がある,というAndroidタブレットの選択肢はかなり限られてきました。
ちょうど,義父に2016年夏に発売されたMedia Pad T2 Proを勧めた直後,ニュースが飛び込んできました。*1
商品が届いたその直後のニュースだったので「早まったか?」と正直思ってしまいました。6月9日に発売されるファーウェイ製の新型9.6インチタブレットです。
驚くべきはその価格です。希望小売価格(税抜)は、MediaPad T3 10のWi-Fiモデルが18,800円、LTEモデルが22,800円、MediaPad M3 Lite 10のWi-Fiモデルが29,800円、LTEモデルが35,800円。
かつてこの価格帯はASUS性のMemoPadの廉価版などがありましたが,性能はお世辞にも良いとはいえないものでした。
では,このMediaPad T3 10はどうなのでしょうか。
スペックを見る限り,MediaPad T3 10は約 9.6インチWXGA(1280x800ドット)IPS液晶を搭載したAndroid 7.0採用タブレットで、CPUにはQualcomm製クアッドコアCPU「Snapdragon 425(MSM8917)」(1.4GHz×4コア)、2GB RAM、16GB内蔵ストレージを備えたスタンダードモデルです。
気になるのは,性能が普通だということです。価格を考慮すれば仕方ありませんが,液晶の解像度もイマイチです。グーグルマップなどでは小さな文字は表示が潰れてしまうでしょう。でも,老眼の方は結局小さな文字は指でピンチイン(拡大)して見ますから,いちいち拡大操作するのも大変です。重量は460グラムありますので,長時間片手で持って使うのは大変だと思います。バッテリーは4800mAhありますから,1日は十分もつでしょう。
総評としては,性能的には測定アプリの結果を見ないとなんともいませんが,アプリの標準機能で文字サイズが変更できるJWLibrary専用機として使うのであれば,ひとまず合格点をあげられるの性能だと思います。もたつきが気になる方は,同時発表されたMediaPadM3Lite10を検討してみても良いかと思います。