JWとAndroid

Android端末を使いこなしたい兄弟姉妹たちのために操作説明や提案などを書いています。

JWLanguage(Android版)を使いこなす 第10回 「フラッシュカード」のレッスン

    解説に入る前に、本日マイナーアップデートが来ていたようです。

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     アップデート後のバージョンナンバーは2.6.5になっています。

     今回のアップデートは小さなバグフィックスとパフォーマンスの改善ということで、大きな変更は体感できません。機種ごとに環境の異なるAndroidではどんなバグが出ていたのか突き止めるすべもなく、そのあたりは不分明です。

     アップデート後私の環境ではコンテンツをうまくロードできないという症状が発生しました。とりあえず端末を再起動してアプリショートカットを作り直すことで解決しました。

     それで、アップデート前に、あらかじめホーム画面のアプリショートカットを一時的に削除しておくほうが良いのかもしれません。

フラッシュカードについて

    「またたき」を意味する「フラッシュ」という語を含むだけに「フラッシュカード」のレッスン、は知的瞬発力を鍛えるレッスンと言えます。

    それを踏まえますと、絵ではなくテキスト形式でのレッスンではイメージだけで捉えるということに限界がありある程度のスピードで頭打ちになります。

    ご自分のできる範囲で何度も挑戦して、できる範囲で少しずつスピードを上げていくのが良いかと思います。  

    いずれにせよ、同じ刺激を繰り返し脳に与えることによって、文字列を一文字ずつ読むというより、まとまりとして捉えイメージ先行型で処理を行うよう働きかけることができると思われます。

    色んな文献を読みましたが、フラッシュカードレッスンは長時間ぶっ続けて行ったとしてもあまり効果が出ないようです。そうなんでしょうか?(笑)

 このレッスンの特徴

    コレクションしたトピックのフレーズが、母語、学習言語の双方から表示され、それに対応する訳語をイメージして言い当て、それが正しかったかどうかを確認するという一連の流れとなります。

 

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レッスンの流れ

     コレクションの中からひとのフレーズが表示されます。制限時間はなく、訳語が頭の中に浮かぶまでずっとフレーズを見られますし、タップすれば何度でも発音を確認することができます。

 

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     画面下部の「答えを見る」をタップすれば回答が表示され音声も再生されます。

 

学習言語が英語である場合、英語→日本語の出題もあれば、

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日本語→英語の出題もされます。

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     ご覧の通り、答えの選択肢を選ばせるという操作はまったく要求されず、脳内に思い浮かんだ答えと表示された回答が一致していたかどうかだけをチェックするという構成になっています。

     もちろん最後に成績発表もあるにはあるのですが、このレッスンは一回ごとに一喜一憂するようりも、ある程度の瞬発力と正答率が両立するようなペースでレッスンを継続し、ひとつのコレクションの学習達成度を向上させることを目指すのに良いのではないかと感じます。

まとめ

     このレッスンは、言いたい時に、言いたい言葉が出てくるという体験へ最も近づけてくれる実践的なレッスンになっていると思います。

     なぜなら、自分が口にしたい言葉の候補が答えとして表示されることがないからです。まさに自分が勉強してきたことで勝負するという体験できます。これは実際に直面するシーンで嫌というほど味わうことになります。

     それまでの勉強量に応じてどこまで自分に定着しているかが測定できるので、これまでに紹介した各種のレッスンの最後の仕上げとして整え上げるのに最適だと思います。

 

    次回は、皆さんの予想通り「オーディオレッスン」の紹介となります。今週末は公の奉仕でちょっと外国人に対して頑張ってみたいと思います。良い報告ができるよう祈りに含めていただければ嬉しく思います。

   

 

あまり知られていないかもしれないJWウェブページ

          ニューヨーク州ブルックリンの旧世界本部を売却するにあたって、特別なウェブページが作られていたことに気がついている人は国内ではどれくらいいるのでしょうか。

      このページです。JW.orgとはまた一味違うウェブデザインとなっていて大変興味深いです。コンテンツをそのまま転載してしまうと利用規約に違反してしまうので紹介するだけにします。

watchtowerbrooklynrealestate.com

      すでに、売却は完了しましたが、ウェブページは残されています。

      VIEW 360°PANORAMIC というところから、すばらしいランドスケープの360度写真なども見られますので、興味のある方はご覧ください。パソコンから見ることをおすすめします。

      また現在売却計画を進めている別の地域の不動産情報のページもありますので、今回の記事の末尾に小さく紹介しておきます。

      無駄を減らし、稼働率を上げ、できるだけ私達の寄付が無駄にならないような努力が払われているんですね。私達も大会のプログラムやミーティング用の資料などでペーパーレス化に可能な範囲で協力することで、出費を少しでも減らすことに協力したいと思います。      

 

Home - IBSA Property

 

      もしかしたら、これらのページは閉鎖されて見られなくなってしまうのでしょうか。

 

JWLanguage(Android版)を使いこなす 第9回 「聞く」のレッスン

     読んで字のごとく「聞く」のレッスンはヒアリング学習です。

     知らない単語はそもそも聞き取れません。たとえ字幕を表示させながら聞いたとしても理解できません。また、単語帳などでたくさん単語を覚えていても、間違った発音で覚えたものは聞き取ることができません。

     その理由は、目や耳から入った情報と意味とを結びつけることができないからです。

     たとえば、和製英語の発音しか耳にしたことがなければ、カプセル、マクドナルド、バニラという固有名詞を英語ネイティブが発音したときに、聞き取れないかもしれません。*1

     また、中国語、ベトナム語タイ語などの声調言語の場合、イントネーションが違うと意味も異なってくるので発音の勉強は特に重要です。*2これらの言語については発音の集中的な練習にワンシーズン費やしても良いと考えています。

 

「聞く」のレッスンを開始する

     学習の始め方は、他のレッスンと同様です。コレクションを開いたら、緑地に白い文字で「レッスンを始める」と書かれた部分をタップして開始します。それから、画面下半分の「聞く」というレッスンをタップして選択します。

 

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 「聞く」のレッスンの特徴

     まず、音声が再生されます。ですから、音声がよく聞き取れる学習環境が求められます。イヤホンを使っても良いと思います。

     フレーズの選択肢には、コレクションには含めなかったものも含まれます。選択肢はすべて母国語ですから意味の分からないフレーズというものは無いはずですから、これは解答者を迷わせるためのしかけではないかと思われます。

    おそらく、このレッスンの目指すところは、聴いた言葉の意味するところをどれだけ正確な(あるいは速く)意味に結びつけられるか、にあるのではないかと私は思います。

 

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単なる聞き流しとは違うレッスン 

    見るのレッスンを紹介した時に、脚注でポツリとつぶやきましたが、俗にいう「聞き流すだけのトレーニング」は、本当の意味でのリスニング力はつきません。

    なぜなら、そのフレーズ、そしてフレーズに含まれている単語の意味を理解せずにただ聞き流している場合があるからです。

    好都合にも相手が全く同じフレーズで話してくれれば、聞き慣れたフレーズと同じことを言っていると気がつくかもしれません。ところが、少しイレギュラーな表現をされてしまうとたちまちわからなくなります。

    私は外国語の群れに在籍していた時に奉仕でその現象を利用していました。

    当時は、とある有名な観光地で街路証言を定期的に行なっていました。しかしそこは日本語会衆も自分たちの街路証言の区域として用いているエリアでもあったのです。

    ですから、努力が重複しないよう、私達の群れは同じ言語グループの外国人旅行者にターゲットを限定して会話を始める必要がありました。

    しかし、失礼ながら外国人のような容貌の日本人旅行者もよくいます。

    アジア人同士ですから、見間違えてしまうことは仕方がないのですが、とにかくこちらから話しかけなれば始まりません。それで個人的に第一声は日本語で次のように語りかけるようにしていました。(今は別の方法で見分けています。)

    「あのう、すみません、地元の方でしょうか」

この言葉に対する反応の仕方で証言を調整していました。

反応1「ええ、そうですが、何か?」

  → ああ、運悪く(笑)その方は日本語ネイティブでした。この場合、適当な質問をしたりして自然な形でその場を立ち去ることになります。

反応2「いいえ、違います。私は○○人です。」

  →日本語を心得た外国人。日本語能力が要求される環境におられるのかもしれない。日本語での証言も受けているかもしれないため、証言に移ると反応が早いこともあるが、後はその人次第。

反応3「無言で首を傾げる(または片言の日本語が帰ってくる)」

  →日本語初級者。この場合、彼らの国の言語で証言を開始することで有効的な会話を楽しむことができ良い結果になることが多い。つまりフレッシュな反応を期待できる。これもその後が続くかどうかはその人次第。

    さて、最後のグループに属する人はなぜすぐに反応できなかったのでしょうか。その理由は、質問に含まれていた「地元の方」という語彙にあります。

    多くの旅行者向けガイドには、「あなたは日本人ですか?」「あなたの国はどちらです?」という表現はおそらく収録されています。でも、「地元」そして「~の方」という複合表現は、日本語ネイティブか正式な日本語教育をある程度受けている人でないとまず理解できません。

    それが相手を見分ける手がかりとなりました。

まとめ

    聞いたフレーズの意味を理解するには、そのフレーズに含まれるすべての語彙の意味と発音を理解している必要があります。 

    この「聞く」レッスンで正しい発音を耳にして、正しい意味をイメージできるようになりましょう。

    そうすれば、次は、聞いた、あるいは見たフレーズの意味をノーヒントで頭の中に思い描くトレーニングの段階に入ります。そのためのレッスンが次回紹介する「フラッシュカード」レッスンです。

    それでは、次回をお楽しみに。

 

    

*1:それぞれの単語はカタカナで表記するのは限界がありますが、カプセル→ケァプスゥ、メァッダナァー、ヴェニーラに近い発音に聞こえます。

*2:たとえば、台湾では、夏休み→暑假、本棚→書架、贖い→贖價と書きますが、声調を無視すればすべて「シュージァ」と書くこともできますが、それぞれの漢字一つ一つの音声の上がり下がりはすべて異なり、間違えて覚えると誤解が生じます。

JWLanguage(Android版)を使いこなす 第8回 レッスンメニュー「組み合わせる」について

     組み合わせる、のレッスンは、前回解説した「見る」のレッスンの発展形です。それで少なくとも「見る」のレッスンと同程度以上の学習負荷がかかります。

「組み合わせる」レッスンの特徴

     日本語話者が英語を学習言語とした場合、「見る」のレッスンでは「日本語」が表示されたら「英語」の選択肢が、「英語」が表示されたら「日本語」の選択肢がランダムに表示されました。

     「組み合わせる」は少しアプローチが異なります。「見る」との最大の違いは、問題すべてが、選択肢ともなっていることです。左半分に第一言語、右半分に学習言語が表示されます。

     すべての項目を組み合わせることで一回のレッスンが終了し、成績が表示されるのは「見る」のレッスンと同じです。

 

     実際に練習するとわかりますが、「組み合わせる」では、第一言語(母国語)、学習言語どちらからでも選択できるという特徴があります。

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とりあえず、わかるフレーズから潰していくことができてしまうために、後半になればなるほど難易度は下がってしまいます。

     そのようなわけで「組み合わせる」のトレーニングは、よく似た表現の使い分けを覚えたい場合や、同じ場面で別の言い方の練習用として用いるのが良いのではないかと思います。

     英語など馴染み深い言語であれば、次のスクリーンショットのように同じ表現を含むフレーズを集中的に練習するにも使っています。

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     上は、「聖句を紹介した後で」というコレクションを作り、それから「組み合わせる」でレッスンを始めた時の画面です。選択しながら、声に出し、徹底的に重要表現を叩き込んでいきます。

 

     このように、1つの場面で色々な表現を使い分けることができるようになると単調さが軽減されるので自分も相手ももっと楽しく会話することが出来るようになります。

     「組み合わせる」のトレーニングは、韓国語やタイ語ヒンディー語ミャンマー語アラビア語など用いられてい文字そのものが日本人にとって識別しにくい言語のとき、ポイントとなる文字の部分をより速く識別するトレーニングにうってつけだと思います。*1

 

      次回は、「聞く」のレッスンの解説です。Android関係で私たちに役立ちそうなニュースを見つけたらそれもキャッチして紹介してみたいです。

      寝不足でなんとなく眼圧が高いような気がするので、今日はこのへんで。

     ごきげんよう

  

 

 

 

*1:日本語を学習している方であれば必ずひらがな・カタカナでつまづきますから「組み合わせる」レッスンで日本語を一生懸命勉強している人もいるのかなあと思います。さ」と「き」、「は」と「ほ」、「ソ」と「ン」、「ナ」と「メ」など似た形のかな文字がゴロゴロありますよね。

JWLanguage(Android版)を使いこなす 第7回 レッスンメニュー「見る」について

     言語の勉強には色々なメソッド(方法)があります。基本的には目や耳や口などを色々用いて練習し、用いた器官に対応する言語機能が向上します。

     たくさん文字を読めば、つまり目を使えば、読解力と語彙が強化されます。たくさん聞くことで聴解力、書くことで作文力、話すことで会話力が伸びていきますが、これは前述のトレーニングで蓄えた語彙の上に積み重ねて行くことになります。*1

     要するに、すべての始まりであり、基本となるのが最初の読む、つまり見る練習ということになります。テキストやフラッシュカード単語や例文や会話例や問題文を見て理解するには、書いてある文字の意味を正しく理解できなければなりません。*2

    今回から、数回にわたってレッスンの記事が連載されます。その初回は「見る」レッスンの解説です。

 

    その前に、前回の捕捉をすこしだけ書かせてください。 

各コレクションを開くと、コレクションしたフレーズの一覧が表示されます。

コレクションのタイトルの下の白いバーに注目です。

左端にはフレーズの数、そして右端にフレーズの編集機能メニューがあります。

この編集機能は今のところ余り使わなくても良さそうだと思いますので、編集機能の解説は下のスクリーンショットに簡単に書き加えておくことにしました。

レッスンを繰り返すうちにコレクションの構成に違和感を覚えたら使うぐらいで良いと思います。

 

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「見る」レッスンをする

さて、レッスンメニューの試してみよう、を試してみます。

今回は「見る」というレッスンをやってみます。

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 見るという文字の下に「見て語句を選ぶ」とありますから、このレッスンの目的は、読解能力を向上させることにあることがわかります。何度も何度も練習を繰り返すうちに、ほぼ瞬間的正解がわかるようになると思います。

 

もちろんこのアプリではただ読むだけにならない工夫がされています。

実際にレッスンを開始した様子がこちら

 画面上部に第一言語(写真では日本語)が表示され、その下に学習言語で色んなフレーズが表示されます。

正解だと思うフレーズをタップすると、下のように画面下部に正解かどうかのメッセージが表示されます。この後、ネイティブの音声も流れます。環境がふさわしいなら、音声を聞きながら自分も同じように発音(シャドーイング)するとさらに効果的です。

 

 

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再生される音声に対する操作

右上の①は再生速度の変更です。

タップする度に1X(標準)→ 3/4(75%の速度)→1/2(50%の速度)→1X(標準)と変更することができます。

②はスピーカーからの音声のON-OFFです。

 

 

 

間違えると、下のような表示がされます。(これは別に作成した少し難しいコレクションのものです。)

誤回答の選択肢はグレーアウトして選びことができなくなります。。

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目に入った言葉と関係する意味や音声を結び付けられるなら、会話のどの部分を勉強しているかをつかめるので、反復練習が行いやすくなります。

最後に成績が表示されます。全部で何通りあるかは確認していません。

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レッスン中はいつでも、左上の☓印をタップするとレッスンを中止して練習集のコレクションのトップに戻ることができます。

 

今回はここまでです。次回は「組み合わせる」のレッスンメニューの使い方解説を予定しています。

 

相次ぐ台風到来で週末の予定がかき乱されて困ってしまいますね。

うちは屋根のパネルが吹っ飛びました。出窓が割れなかったのが幸いです。

*1:聞く「だけ」で外国語が喋れるようになるという謳い文句の教材が市販されているようで、国際大会出席のためにわざわざ購入した友人もいましたが、残念ながらその方は理解も修得もできなかったようです。

*2:私は昔韓国語を勉強しようと奮闘しましたが、ハングルをすべて覚えきる前に本格的なレッスンが始まってしまい講座についていけなくなって挫折したことがありました。

JWLangage(Android版)を使いこなす 第6回 レッスンメニューについて

     前回までの解説で、場面に応じたコレクションを作成するところまで行けたと思います。今回は作成したコレクションのフレーズを練習する方法についての紹介となります。

     とりあえずサンプルとして『自己紹介からトピックの導入まで』と第するコレクションを作ってみました。図示した『レッスンを始める』の部分をタップするとレッスンメニューが表示されます。

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レッスンメニュー

     JWLangageアプリでは合計5種類のレッスンメニューが用意されています。

それぞれ強化ポイントの異なる練習ができます。

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     用意されているメニューは、「見る」「組み合わせる」「聞く」「フラッシュカード」そして「オーディオ・レッスン」です。語学学校でありがちな「ディクテーション(聞いて書き取る)」や「シャドーイング(聞いたまま話す)」といった項目はありません。このあたりの思い切りも、外国語がうまくなることよりも、外国語で証言することを最重要視したことが伺えるように思えます。

    野外奉仕では、書くことよりも、言うことが求められます。そして前回の投稿で書きましたが、外国語での証言は最初は丸暗記したものを正確に口にすることの繰り返しになります。全文原稿丸暗記を恥ずかしがる必要はありません。

    やがて日々の学習が実を結び相手の行ったことに、外国語で反応できるようになり、筋書きから自分の表現で話せるようになるときが来ますが、最初はとにかく基本が第一です。

    人と比べることなく、焦らず、「通じる表現」を確実に口にできるよう心がけましょう。要は、練習した範囲でこちらの伝えたいことが相手に伝われば良いのです。

 

     しばらく公私とも多忙につき、細切れに投稿していきます。次回「見る」のレッスンの解説となります。台風が連発でやってくるようですが皆さんもご自愛ください。m(_ _)m

 

原稿も必要、筋書きも必要

野外奉仕の集まりの時、愛する妻が正確無比な紹介の言葉をコメントしたので、チラリと手元のスマホを見たところ・・・・

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ははーん、証言例のビデオからこういうのをメモしてたのですね。これはこれで良いアイデアです。

 

     地震リスクの高い本州太平洋側では防災関連の記事は有用性が高く、このモデル証言から会話へと繋いで、見識を深めたいところです。中には災害に備えてすごく準備している家の方もいるんですよ。リアクションは本当に百人百様です。

      でも、ここまで想定どおりの会話になるとは限らないのが現実世界です。

証人として志すもの

     日本国内に限ったことではありませんが、筋書きを作ることはできても、筋書きを用いることが出来る人は、あまり多くありません。手元を見てはいない人であって脳内に記憶した原稿を思い浮かべながら言葉に変換しているように見えます。

     端的に言うと、メッセンジャーの中での優先順位が 資料→主題→相手 のようになっています。願わくば、相手→主題→資料 という優先順位で会話を始めて続けたいところです。

      自分がうまく話せるかどうかを気にするよりも、まず相手に応じたテーマを見極めて、そのテーマを裏付けふくらませることができる資料を収集して、それから話に盛り込む技術が必要になってくるのではないでしょうか。

    この技術を習得するにはとにかく筋書きの用い方(作り方とは少し異なる)をマスターするよりほかはありません。

そもそも筋書きって?

筋書きは英語でアウトラインといいます。図にするとこんな感じになるかもしれません。話を単純化するために、星マークの形をした概念を相手に伝えたいとします。

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上のようなイメージの筋書きに基づいて話を割り当てられたとき、筋書きをふくらませるという意味を誤解した人の話は下の図のようなイメージになります。

 

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     うん、星を星として伝えていますから逸脱はありません。でも、これでは筋書きをなぞっただけです。ミスはないのですが、生真面目さが仇となっています

    「理屈としては正しいが感動できない話」は実在します。それは、話し手が遺漏なく情報を伝えることを聞き手の必要を満たすことよりも優先させてしまった成れの果てと言えるでしょう。

     方程式に数字をはめ込むかのように、資料や聖句を所定の位置に代入しただけでは、絶対に人を動かす話にはなりません。「筋書きにはこう書いてあります」なんてネタバレ同然の発言をするのはナンセンス極まりないと思います。

筋書きのほうが良い場合

     ズバリ、心をわしづかみにするには筋書きにもとづいて自由に話すのが絶対に有利です。

    海外に在住中特開者や宣教者の講話を数多く聞いてきましたが、なんというかライブ感がまったく違います。聴衆の反応をリアルタイムに察して、グイグイ引っ張っていくような話し方にはカルチャーショックを受けました。

    そういう話し手は手元の原稿をほとんど見ないのはもちろんですが、だからといって個人的な見解や聖書と一致しない説明もありません。そのようなミスをおかさないための準備をしていることがわかりました。

 

    仮に彼らが、前述の星印の筋書きを用いていたのであれば、下図のような表現をしていると思います。

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     筋書きに基づく立体的な表現です。人によって、表現の仕方には明確な差異が現れます。こうした差異は筋書きをなぞるだけの朗読では起こり得ない現象です。

そうであっても、超えるべきでない一線を超えてはいないのです。

恥の文化が邪魔しているのか?

     各国首脳のスピーチを見比べるとわかりますが、日本の政治家のスピーチは、もっぱら目線が官僚の準備した原稿に釘付けで訴求力が感じられません。

     他国に比べて「言い間違いを非常に心配する」完璧主義的な傾向が足かせになっているきらいがあるように思われます。

     真の雄弁家には交響楽団の指揮者のような表現者としての素質も求められると痛感します。楽譜をなぞるだけの演奏に感動はありません。

     話し手にとって自分が言い間違いなどのミスをして恥をかかないことが、最重要になっている限り、その話はステージから一歩も先へ羽ばたいていかないように感じます。

 原稿のほうが良い場合

     しかしながら、準備したとおりの原稿を用いるのが最善のケースもあります。それは外国語での証言や講話や集会の進行です。

     そういう場面では不正確な表現は通じません。むしろ徹底的に準備した証言を丸暗記して述べるのが最善なケースもあります

     冷たい言い方に聞こえますが、外国語の証言は、言いたいことが通じないなら、所詮は自己満足に終わります。相手の方はその人徳ゆえにフォローしてくれたり、礼儀正しくしてくれたりしますが、理解していません。

     せっかくの証言は文法や発音の不正確さ故に空を切る結果になります。

JWLanguageの練習ではこうした基礎練習を徹底的に行うことが可能です。

今週は公開講演の準備も重なり、このような雑談に終始してしまいました。読者の兄弟姉妹には待ちぼうけを食らわせていますね。

何とか数時間だけでもフリーな時間が作れないか探してみます。

では、台風がせまっていますので、お気をつけて。