JWLanguage(Android版)を使いこなす 第9回 「聞く」のレッスン
読んで字のごとく「聞く」のレッスンはヒアリング学習です。
知らない単語はそもそも聞き取れません。たとえ字幕を表示させながら聞いたとしても理解できません。また、単語帳などでたくさん単語を覚えていても、間違った発音で覚えたものは聞き取ることができません。
その理由は、目や耳から入った情報と意味とを結びつけることができないからです。
たとえば、和製英語の発音しか耳にしたことがなければ、カプセル、マクドナルド、バニラという固有名詞を英語ネイティブが発音したときに、聞き取れないかもしれません。*1
また、中国語、ベトナム語、タイ語などの声調言語の場合、イントネーションが違うと意味も異なってくるので発音の勉強は特に重要です。*2これらの言語については発音の集中的な練習にワンシーズン費やしても良いと考えています。
「聞く」のレッスンを開始する
学習の始め方は、他のレッスンと同様です。コレクションを開いたら、緑地に白い文字で「レッスンを始める」と書かれた部分をタップして開始します。それから、画面下半分の「聞く」というレッスンをタップして選択します。
「聞く」のレッスンの特徴
まず、音声が再生されます。ですから、音声がよく聞き取れる学習環境が求められます。イヤホンを使っても良いと思います。
フレーズの選択肢には、コレクションには含めなかったものも含まれます。選択肢はすべて母国語ですから意味の分からないフレーズというものは無いはずですから、これは解答者を迷わせるためのしかけではないかと思われます。
おそらく、このレッスンの目指すところは、聴いた言葉の意味するところをどれだけ正確な(あるいは速く)意味に結びつけられるか、にあるのではないかと私は思います。
単なる聞き流しとは違うレッスン
見るのレッスンを紹介した時に、脚注でポツリとつぶやきましたが、俗にいう「聞き流すだけのトレーニング」は、本当の意味でのリスニング力はつきません。
なぜなら、そのフレーズ、そしてフレーズに含まれている単語の意味を理解せずにただ聞き流している場合があるからです。
好都合にも相手が全く同じフレーズで話してくれれば、聞き慣れたフレーズと同じことを言っていると気がつくかもしれません。ところが、少しイレギュラーな表現をされてしまうとたちまちわからなくなります。
私は外国語の群れに在籍していた時に奉仕でその現象を利用していました。
当時は、とある有名な観光地で街路証言を定期的に行なっていました。しかしそこは日本語会衆も自分たちの街路証言の区域として用いているエリアでもあったのです。
ですから、努力が重複しないよう、私達の群れは同じ言語グループの外国人旅行者にターゲットを限定して会話を始める必要がありました。
しかし、失礼ながら外国人のような容貌の日本人旅行者もよくいます。
アジア人同士ですから、見間違えてしまうことは仕方がないのですが、とにかくこちらから話しかけなれば始まりません。それで個人的に第一声は日本語で次のように語りかけるようにしていました。(今は別の方法で見分けています。)
「あのう、すみません、地元の方でしょうか」
この言葉に対する反応の仕方で証言を調整していました。
反応1「ええ、そうですが、何か?」
→ ああ、運悪く(笑)その方は日本語ネイティブでした。この場合、適当な質問をしたりして自然な形でその場を立ち去ることになります。
反応2「いいえ、違います。私は○○人です。」
→日本語を心得た外国人。日本語能力が要求される環境におられるのかもしれない。日本語での証言も受けているかもしれないため、証言に移ると反応が早いこともあるが、後はその人次第。
反応3「無言で首を傾げる(または片言の日本語が帰ってくる)」
→日本語初級者。この場合、彼らの国の言語で証言を開始することで有効的な会話を楽しむことができ良い結果になることが多い。つまりフレッシュな反応を期待できる。これもその後が続くかどうかはその人次第。
さて、最後のグループに属する人はなぜすぐに反応できなかったのでしょうか。その理由は、質問に含まれていた「地元の方」という語彙にあります。
多くの旅行者向けガイドには、「あなたは日本人ですか?」「あなたの国はどちらです?」という表現はおそらく収録されています。でも、「地元」そして「~の方」という複合表現は、日本語ネイティブか正式な日本語教育をある程度受けている人でないとまず理解できません。
それが相手を見分ける手がかりとなりました。
まとめ
聞いたフレーズの意味を理解するには、そのフレーズに含まれるすべての語彙の意味と発音を理解している必要があります。
この「聞く」レッスンで正しい発音を耳にして、正しい意味をイメージできるようになりましょう。
そうすれば、次は、聞いた、あるいは見たフレーズの意味をノーヒントで頭の中に思い描くトレーニングの段階に入ります。そのためのレッスンが次回紹介する「フラッシュカード」レッスンです。
それでは、次回をお楽しみに。