コラム 第八回 Androidの日本語入力について
タブレットでノートをとることの利点
紙とペンを使わず,タブレットでノートをとりたいと思う方もいらっしゃると思います。ぜひ応援したいです。
タブレットでノートを取るなら,読みやすい字で保存できますし,あとから加筆修正したり,コピーして別の資料に貼り付ける事もできます。ノートの数が膨大になってもタイトルやタグで検索してすぐに探し出すことができます。検索のしやすさは紙には真似出来ない利点だと思います。
オススメのノートアプリ
両方使っていますが,どちらも一長一短です。
個人的にはEvernoteのほうが同期が早いので気に入っています。でも,無料では端末2台までしか登録できないので,スマホ,タブレット,PC間で同一ノートを共有したい場合,Onenoteを使わざるを得ません。
本題に入る前にどうしてもお伝えして置かなければならないことがあります。実はAndroidに最初から標準で入っている文字入力システム(以後IMEと記述します。)は日本語向きにはデザインされておらず,大変使いにくいです。
タブレットを買ったらすぐIMEを入れ替えておきましょう。
iOS8からようやくiPadもサードパーティ製のIMEで日本語入力システムをカスタマイズできるようになりました。でもAndroidではこうした機能拡張はもともと実装しており,Google Playで検索すると日本語入力アプリがたくさん見つかると思います。私はAndroidの本家GoogleのIMEが気に入ったので長年愛用しています。
リリース初期の頃と比べると,度重なる改良で随分使いやすくなりました。「今日」とか「今」と入れて変換すると,現在の日付や,時刻に変換されるのはGoogleらしいです。
ローマ字入力が得意な設定から入力キーボードを「GODANキーボード」に変更するととても楽に入力できると思います。
フリック入力に慣れた方にはアルテというIMEがかなり速く打てそうです。Google日本語入力の上位互換という感じでかなりの可能性を秘めていそうです。なんとGODANキーボードもサポートしています。
http://gigazine.net/news/20170311-arte-on-mozc/
IMEアプリの権限について
インストールの際に,「アプリにパスワードやクレジットカードの収集を許可することになる」という警告文が表示されるため不安に感じる方がいます。この点はどうなのでしょうか。
一応,Google社の説明によれば,入力文字の収取,送信はしていないとのことです。*1日本語入力アプリをダウンロードしたあとに表示されるガイドの指示に沿って行えば切り替えが完了すると思います。でも,Simejiというアプリ(中国のBaidu製)はちょっと注意が必要みたいですね。あの中国が絡んでいますから*2
Android端末での日本語文章での入力のしやすさ
さて,タブレットでノートを取る場合、もちろんある程度の入力スピードは求められますが,スムーズにノートを取れるかどうか,誤入力した文字をどれほど楽に訂正できるかにかなり左右されるのです。しくじった文字以外の部分まで巻き添えにして削除してしまうなら大幅に時間をロスします。
この点で,訂正したい箇所を確実に訂正できるAndroidはiPadよりも大きなアドバンテージがあるのです。
Androidの文字入力はインライン入力(作業中の文章の中で文字を入力していくこと)しかもカーソルが存在します。このカーソルが非常に便利で画面上の文章のどこでもタップ操作で指定できるうえに、左右に一文字単位で移動させることもできます。*3
加筆修正のしやすさが物を言うケース
英語とは異なり,日本語は単語ごとにスペースで区切らずに記述しますので,1文字単位で入力したい場所を指定できるのは大助かりなのです。
区切りのない文字列の途中を編集する例を考えてみたいと思います。メールアドレスを入力したあとに,文字列の途中の誤字脱字に気づいたとします。
○○○○□□□△△△△@☆☆☆☆.ne.jp
と打ち込んでから□を一文字見落としていたことに気づき,□を4つにしなければなりません。あなたなら,どうしますか?
全削除してもう一度はじめから入力し直す人もいますが、Androidなら□と△の間にピンポイントでカーソルを移動できます。これが時間のロスを抑えるのです。
カーソル移動は上の画像の緑色の四角で囲った部分をタッチします。また,母音を左手の指,子音を右手の指にそれぞれ担当させると,とても打ちやすくなります。濁音・半濁音,数字や記号はよく見るとそれぞれのキーに小さく表示されている方向にフリックすることで入力モードを切り替えることなく入力できるのも便利です。
IMEとして最高クラスの完成度を誇るGoogle日本語入力の便利さについては沢山の方々が記事にしておられると思いますので,お暇なら調べてみてください。
もし,ここまで読んで,よくわからないと思われましたら,実際にAndroidデバイスとiOSデバイスで同じように文字訂正を試してみてください。その違いがはっきりすると思います。
Bluetooth接続機器とWi-Fiの干渉問題
人間には不可能な速さで連打が始まると誰もが故障したと思います。
デバイスのスイッチを切って鎮まらせますが,すぐに再発します。
これは,Wi-Fiが飛んでいる王国会館で,Bluetoothキーボードとマウスを同時使用すると起きる「チャタリング」と呼ばれる厄介な現象です。
IMEアプリに問題があると思われがちですが,実は静電気や電波同士の干渉が原因だそうです。また,近くにタブレットのWi-Fi接続をオンにしたまま人が多数着席している状態でも起きることすらあるようです。
Wi-Fiのオンオフができなさそうな初心者が密集して着席している場所では席を移るか,無線機器の使用は諦めるしかありません。
*1:https://plus.google.com/+HiroyukiKomatsu0/posts/VvhpaTRRPKS
*2:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1312/26/news055.html
*3:第七回のコラムで述べたように,AndroidはWindowsのようにBluetooth方式の無線マウスが使えます。マウスを使うとポインターが出現しますので,さらに使いやすくなります。